顔のたるみや乾燥など、ほうれい線を目立たせる原因はさまざまです。エイジングケア化粧品で改善できる乾燥による小じわが原因のほうれい線から、目立ってしまうと改善が難しいたるみが原因の深いほうれい線まで、原因によってほうれい線のタイプや特徴に違いがあります。そこで今回は、深いほうれい線の予防や改善の対策についてご紹介します。
皮下組織と表情筋へのほうれい線対策
ほうれい線の主な原因である顔のたるみの原因には、皮下組織の衰えがあります。皮下組織においてほうれい線と関わりが深いのは、白色脂肪細胞です。白色脂肪細胞とは、一般に言われる「脂肪」のことで、過剰に摂取して余ったエネルギーを中性脂肪に変換し、貯めこむ役割があります。白色脂肪細胞は、肥大化しきれなくなると、その数が増えることがわかっています。そんな皮下組織の白色脂肪細胞へのほうれい線対策には、リンパマッサージ、たんぱく質やミネラルを含む食材によるバランスのよい日々の食生活、代謝アップのための運動などがあります。
また、表情筋の衰えも顔のたるみの原因です。ほうれい線を目立たなくするための表情筋の対策としては、エクササイズやフェイスマッサージ、ツボ押しなどで表情筋を鍛えることやコリをほぐすことです。具体的には、美顔ローラーなど器具を使って行うエクササイズ、割り箸やスプーンを使う方法、あいうえお体操などの簡単な体操、顔面マッサージなど多岐にわたります。
これらの対策によって、必ずしもほうれい線を消せるとは限りませんが、正しい方法で長く続ければ、予防・改善が期待できます。
美容医療でのほうれい線対策
エイジングケア化粧品やその他の対策は、浅いほうれい線を消すサポートはできても、深いほうれい線を消すことは難しく、深いほうれい線の比較的顕著な改善や解消を期待するのであれば、美容医療が選択肢にあげられます。
目立つほうれい線を消す対策としての美容医療には、まず、医薬品による治療があります。肌のターンオーバーを促進するはたらきや、真皮の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進するはたらきがあるトレチノインが処方されます。また、「酸」のはたらきで、皮膚表面の角質をはがし、新しい細胞を生み出すことでしわの対策を行う、ケミカルピーリングによる治療があります。さらに、ヒアルロン酸、プラズマジェル、自分の血液に含まれる血小板、FGFを注射で注入する治療もあります。ほかにも、レーザーやラジオ波を照射する治療、肌を切らずに糸でリフトアップする治療、フェイスリフトなどの外科手術による治療、線維芽細胞培養による再生医療など、さまざまな美容医療の手段があります。そして、それぞれメリット、デメリットもあり費用面でも差があります。
他のほうれい線対策に比べて効果の高い美容医療ですが、リスクもあるので専門医にしっかり相談したうえで、実施するかどうか決めましょう。
まとめ
ほうれい線の対策としては、日常生活でできるものから美容医療まで幅広い選択肢がありますが、若い時からエイジングケア化粧品を上手に使ったり、アンチエイジングを意識した生活習慣を行って、予防や進行を防ぐことが最も有効です。